【C#,VB.NET】.NET Framework 4.8から.NET6へコンバートする(try-convertを利用する)。その他コンバート後の注意点まとめ

try-convertというツールを利用して、以下の手順でコンバートする(Visual Studio 2022で作成した.NET Frramework4.8のWindowsフォームの前提)。

コンバート手順

※実行する前に全ファイルを別フォルダなどにコピーしてバックアップしておくこと!
 コンバートは自動でバックアップしてくれず、そのままプロジェクトが書き換えられるので注意!

    1. Windowsのスタートメニューから、Visual Studio2022(のフォルダの方)→x64 Native Tools Command Prompt for VS 2022をダブルクリックして起動
    2. 「dotnet tool install -g try-convert」を実行し、try-convertをインストールする。
      既にインストール済みの場合、「dotnet tool update -g try-convert」を実行し、try-convertを最新版にアップデートする(この記事を作成した際に利用したバージョンは、0.9.232202)
    3. 「cd c:\~(.slnファイルが保存されているパス)」で、.slnファイルが保存されているパスまで移動
    4. 「try-convert」を実行する
    5. しばらく待ち、「Conversion complete!」と表示されればコンバート完了!
    6. .slnファイルをダブルクリックし、Visual Studioを起動する
    7. ビルドを試すと、次のエラーが表示される。
      「エラー NETSDK1136 Windows フォームまたは WPF を使用しているとき、またはそのようなプロジェクトまたはパッケージを参照しているときには、ターゲット プラットフォームを Windows に設定する必要があります (通常は TargetFramework プロパティに ‘-windows’ を含めることによる)。」
    8. ソリューションエクスプローラーからプロジェクト名を右クリックし、プロパティをクリック。表示された画面の「アプリケーション」のターゲットOSが「(なし)」になっているので「Windows」を指定する。
      ターゲットフレームワークが「.NET 7.0」になっているので「.NET 6.0」を指定し、再度ビルドする。

これで、とりあえず.NET6としてコンバートが完了した。

以下の旧プロジェクトファイルが残るので、これらは削除してOK
「XXX.csproj.old(C#の場合)」「XXX.vbproj.old(VB.NETの場合)」

以下に、コンバート後に手修正した問題点を随時追記していく。

警告つぶし

「警告 CA1416 この呼び出しサイトはすべてのプラットフォームで到達可能です。’Font’ は ‘windows’ でのみサポートされています。」というような「CA1416」の警告が出た場合は、とりあえず以下のように警告をつぶすことができる。

C#

#pragma warning disable CA1416
    LabelText.Font = new System.Drawing.Font("Meiryo UI", 21.75F);
#pragma warning restore CA1416

VB.NET

#Disable Warning CA1416
    LabelText.Font = New System.Drawing.Font("Meiryo UI", 21.75F)
#Enable Warning CA1416 

上記のように#から始まるディレクティブを使って、警告がでないようにする。

フォームのデザインがおかしくなる

フォーム自体のフォントが「Yu Gothic UI, 9pt」になるので、これを「MS UI Gothic, 9pt」に変更すれば元のデザインのままになった。

Process.Startが実行時エラーになってしまう

.NET Framework4.8のときは、以下を実行すると既定のブラウザで指定したURLのページが表示されていた

System.Diagnostics.Process.Start("https://juraku-software.net");

しかし、.NET6だとこれを実行すると「System.ComponentModel.Win32Exception: ‘An error occurred trying to start process ‘https://juraku-software.net’ with working directory ‘C:\~\bin\Debug\net6.0-windows’. 指定されたファイルが見つかりません。’」というエラーになってしまう。

そのため、.NET 6では以下のように修正する。

C#

    var processStartInfo = new ProcessStartInfo
    {
        UseShellExecute = true,
        FileName = "https://juraku-software.net"
    };

    System.Diagnostics.Process.Start(processStartInfo);

VB.NET

    Dim processStartInfo As New ProcessStartInfo With {
        .UseShellExecute = True,
        .FileName = "https://juraku-software.net"
    }
    System.Diagnostics.Process.Start(processStartInfo)

こういう実行時エラーが一番怖い・・・挙動を変えないで欲しかった・・・